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2011年12月29日木曜日

香椎浜の異空間

ちょっと間が空きました。

その間2カ月。
6分の1年もブログをほったらかしにしてしまいました。
すまん。

で、その間何もしていなかったのか、というと、その通り。
ちょっと遠くまでふらふらとはするものの、ラーメンもうどんも定食屋も行かず、目立って珍しい場所に行くことも無く、ただただ漕いで、ぶらりと帰ってきていました。
たまに風呂屋に寄って汗流すくらい。

あぁ、今年もこのまま終わるなぁと思っていたのだけれど、友人がFacebookでシェアしたとあるページを見て、最後のひとっ走りを決めた。

年内最後のコースは志賀島。
行きはいつもの通り、風がびゅんびゅんと吹く大橋を渡り、いざ、海の中道を通り……。
いやー、無理でした。
ちょっと冬の寒さを甘く見ていた。
ヒートテックとワッフル生地のサーマル、ウィンドブレーカという装備で出かけたものの、橋の上の吹きさらしで芯まで冷え切って朦朧としてきたので、自販機でコーンスープとミルクティを立て続けに補給。
この状態で海っ端を走るなんて無理と判断し、和白のほうへとぐるりと回り……
以下の地図のようなルートを取った。

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この凍えた身体を温めるのは、名島亭の温かいラーメンと、大将のじんわりと沁みる接客しかない!とはやる気持ちを抑え、本来の目的である香椎浜に向かった。

このあたりは自転車で何度も通ったことがあり、そのたびに妙なものが建っているなぁと思っていた場所で、気になっていた場所ではあった。

それが、先日知人のFacebookに、著名な建築家たちがデザインしたマンション群だという記事がシェアされていて、あーっ!これ!となった次第だった。

それならそうと改めて見に行ってみようか、というわけで行ってきました。

石垣のような黒い部分がぬらぬらとして異様。


これです。石垣!

カラフル!
割とふつう。
どでかいタワー。

携帯のカメラじゃ相当離れないと入りきれない巨大な門のようなマンション
打ちっぱなしでも一味違う印象。

正直なところ、建築に対してそう見識があるわけではないので、へぇ、ほぅという程度の感想しか受けなかったのだけれど、福岡にはこんなものもありますよ、というご紹介までに。


ちなみにこのマンション群についての詳しい説明はこちらでご覧下さいな。
とても個性的な建築群のようでありつつも、周りの没個性的な団地に呑まれているような感じもあり、ちょっと不思議な感じのするエリアですね。

ただ、個人的にピクッと来たのはやはりこういう昭和テイスト。
いい感じに古い団地。棟番号が4桁……。

この団地はさておき、この日もこのネクサス周りには、一眼レフを首から下げて撮影している人がいたので、きっとその道の人にとってはやっぱり有名な場所なのでしょう。

天気のいい日だとカラフルな建物がきれいでおすすめのスポットですね。

そんなこんなでざっとネクサス的な場所を見た後は、ラーメン。
目指すはラーメン。
近頃うどん胃だったけれど、この時ばかりは口がラーメンになっていた。

そして非情な定休日の水曜日。しょんぼりする間もなく胃袋が代替案を見つけ、それならばと300メートル向こうの泰洋軒は28日は誠に勝手ながら休業とさせていただきますという貼り紙。

空きっ腹を抱えてさあどうしよう、あぁ、腹減った、どこかないか、と自転車でさまよい歩いているうちに、たどり着いたのは春吉のHANAMARU厨房。
大盛りトルコライスで福岡のフードファイターの定番店。
あまりにも腹が減りすぎて、盛りの良さという点一択。

出てくるなりパクついてしまってきれいな状態の写真を撮りそびれたので、参考リンクでもご覧ください。
このレベルの量になると、ビジュアルから食べ物らしさが失われがちなのが残念でならない。

腹が減ったという勢いだけで昼の3時にこの量を食べてしまい、夜はお茶で済ませ……るわけもなく、酒飲んで寝た。

そんな締まりの無い2011年のラストポタリング。
来年一発目はいつになるのかどこになるのか。

あったかいものを食べに行きたいなぁ。

良いお年を……。

2011年10月29日土曜日

ちょっとした坂

福岡市内はかなり平坦だ。
山らしい山も、谷らしい谷もない。
せいぜいが丘くらいのものだ。
もちろん、中心部を少し外れると、夜景のきれいな山くらいあるけれど、中心部はつるりとしたものだ。


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上の地図でAのサインから北西にむかって広がる緑が、街中ではせいぜい丘と呼べそうな場所だ。
なので、幕末から明治のあたりの西南の役だかなんだかの戦では、周りがひらたすぎたので、そこに陣が張られたとか。

Googleマップの地形図モードでも大した坂じゃないように見えたため、軽い気持ちでアタックすることにした。
ただアタックするのじゃつまらないので、丘を越えた先にある、トンデモ史跡を目指すことにした次第。

坂はぼちぼちの急こう配で、一か所、ここで転んだら止まらないだろうなというくらいの斜度のところがあった以外は、ちょい坂で、体力があまっているときはここをアタックしたほうが、ぐるりと回るより間違いなく早いはず。

坂を下りて着て振り向くときれいな薄い青空が広がっていて、秋の心地よさが感じられた。
この坂で時速50キロオーバー。市街地の道でこれをやると死ねるからもうしない。

この交差点からもうすぐに、お目当ての場所はある。
その場所は、どういう場所か?
こういう場所だ。

・赤穂四十七士の墓がある。
・福岡城から秘密のトンネルがつながっているという噂がある

そりゃ気にもなる。行ってみたい。
ということで一度行ったことがあるのだけれど、まー、なんというか、半分期待外れで半分期待以上、というところか。

お寺の名前は
興宗寺。禅宗のお寺だ。
立派な門。瓦が迫力ある。

ねぎにらにんにくらっきょう酒禁止

禅宗は門のわきに「不許葷酒入山門」と掲げてある。葷酒(くんしゅ)ノ山門ニ入ルヲ許サズと読み、においの強いニンニクやニラとかお酒をこの門より持ち込んではいけない、という意味だ。
心を無に座禅を組んでいるときに、揚げにんにくの香りがぷーんとしてきたら……、無理なもんは無理だね、確かに。

と、前夜に何食べたっけなぁと息を吐いてにおいを確認しつつ石段をトトトと上る。
門をくぐると右に林がある。
その入口のところに、こういう石碑が、立っている。
四十七義士?? 
四十七士といえば赤穂藩だから、兵庫県。
しかも葬られたのは江戸は泉岳寺……。
はてさて。
大石内蔵助だけ祠つきの特別扱い。
なんでも、四十七士にいたく感銘を受けたという篤志家(っていうか奇特家でしょ)が、昭和の初めごろに、私財をなげうって、泉岳寺と同じ曹洞宗というこの興宗寺に、泉岳寺の作りをそのまま再現した「大変貴重な史跡」らしい。
何度この文章を読みかえしても、現在も本家本元が完璧に残っているのに、コピーがなぜに「大変貴重」??というところで引っかかる。
何がどう貴重なんだろうか。
まぁ、面白いから良いけれど。
泉岳寺を訪問したことはないけれど、写真で見る限り、かなり忠実に再現してあるようなので、お暇な方はぜひぜひ。

その四十七士のお次は山の上に続く石段を上った先にある。
石段は古く、ぼろぼろで雨の日は踏み外し注意
下から見えている建物の中にはこんな絵が飾ってある。
平和「祈」念じゃないの? 普通。
そしてそのすぐ向こうには穴が口をあけている。
この奥に観音さまがある
なかは薄暗く、秋の夕方に一人で行くと、ちょっと背筋がうすら寒くなる。

なかには穏やかな顔の仏様がいらっしゃる。
なんとも穏やかな顔をしてらっしゃいます

もともとこの観音様のある小高い丘は、古墳だったそうで、江戸時代に福岡城を築城するまではその辺に古墳がごろごろしていたエリアということだ。
築城の際に大きな石が必要になり、古墳をどんどんつぶして石を運び、今残っているのがここくらいのものだそうだ。
その際に、古墳に祀られていた大昔の人に、すみません、石もらいます、ということで観音様を祀ったんだとか。
そしてこの観音様が祀られている石洞が実ははるか海のほうの福岡城までトンネルが伸びているという噂もある。
そんな噂を体当たりで確かめようとする不心得者除けのためか、仏様が座敷牢のようなところに閉じ込められてしまっているのだろうか。
アレさえなければ……。

ここで、穴観音を後にし
さらば穴観音

博多のうどんの雄「うどん 平」へ。
博多駅からキャナルシティに向かう途中の路地にあってわかり辛いかと思いきや、ランチタイムには長蛇の列ができているので案外わかるかもしれないお店。

ここの定番はえび天とごぼう天のダブルトッピングだけれど、揚げもの二つ乗せる気分じゃなかったので、肉とごぼう天。
下の余白の美。
ここも典型的な博多のうどんで、スメはさらり、うどんもむにゅり。
讃岐派のひとからは全否定されそうな感じだけれど、これはこれでうまい。
特に肉うどんにして少し甘みが加わったときのじんわりと滋味あふれる感じがほっとさせてくれる。

さーて、来週はどこに行こうかな。

2011年10月22日土曜日

遠い昔の名残り

たまに飲み行くバーのマスターは60歳近い脱サラした元営業マン。

毎日歩きまわって、いろいろな人にあっていただけあって、福岡の街に詳しい。

あの店ができる前にはコレコレこういう店が入っていて、近所の人たちはナントカと呼んでたんだよ、とか、そういう街のちょっとした面白話をしてくれる。

そして年に本を365冊読むという本の虫で、流行作家からSF、歴史物、目にとまったムック本などジャンルのこだわりなくなんでも読む。

その人のバーの本棚は、彼の読書遍歴が凝縮されており、とても面白い。

なかでも、1970,80年代のタウン誌やグルメ情報誌が置いてあって、飲みながらぱらぱらとめくってみる時間が好きだ。

そういうのを眺めていると、15年前に福岡に引っ越してきた時の記憶が徐々によみがえってくる。

そういえば、あのころあったビルはいつの間にか解体されていまは違うビルが建っているな、とか。

この空き地、昔はテナントがたくさん入ったビルが建っていたのになぁ、とか。


大きな地図で見る

そうして、思い出したのが、清川、というエリア。

以前、ロータリーを紹介したあの場所だ。

清川には行きつけのラーメン屋があり、そこで、魚介豚骨をすすりながら、そういえばこのあたり、10年くらい前まではそこらここらに風俗店があったのに、いまはもう一軒もなくなってしまっているなぁ、とふと思い、先日調べてみた。

すると、軒並み店を閉じた理由は、締め付けの厳しさだったようだけれど、意外な知識がついてきた。

この清川のあたりが「柳町」と呼ばれていて、戦後しばらくして廃止になるまでは赤線だったというのは知っていたけれど、実のところここは「新柳町」であって、「柳町」はもともと博多にあったらしいというのだ。

まだ博多駅がもう少し海寄りにあり、博多が商業の中心地だったころ、博多港の周りはそれはにぎわっていたそうで、そういう賑わいの周りには、商店、飲食店、宿泊施設、そして花街が当然のようにあったそうだ。
旧博多駅跡地の公園の傍らに、九州最後のピンク映画館がある。


その旧柳町というか、元祖柳町は、いまは神屋町と呼ばれるエリアに当たる。そこから大博通りを挟んで御笠川までの大浜という地区が赤線だったということだ。

大浜という名前はもう今はなく、その名残を残していた大浜小学校も数年前に博多小学校に統合された。

神屋町は古くから花街として栄えたらしいが、いまでも目にすることができる当時の娼館というか置屋の名残は、すべて戦後に建てられた、当時としてはモダンな建築が多いそうだ。

実は、西鉄の駅に三越が入り、高架化されたぐらいから(15,6年前)、福岡の街は博多も含めて大きく変わり始め、福岡西方沖地震がそれを決定づけ、それまで50年あったものがここ10年でどんどんなくなっていっている。

この博多部の片隅に残る娼館の跡もいつ駐車場やマンションになってしまうかわからないらしい。

それはいかん!と思い、さっそく散歩にいってきた。
ネットで調べたら出てくる、神屋町にいまでものこる売春宿の跡とおなじ建物を探してだいぶんうろうろした。
大小の光沢のあるタイル、波型の瓦が特徴的な「カフェー建築」
この豆タイルがはってあり、目立つ色で装飾してある独特の様式の建築物をどうやらカフェー建築と呼ぶらしい。

このカフェーとはきっと、お茶をするいわゆるカフェではなく昭和初期の”女給”がいた「カフェー」から来ているのだろう。

まだ中高生だったころは、文学史を学べば喫茶店の店員がやたらとそういう文士と心中してみたり、谷崎の痴人の愛でも女給と色恋しているのを不思議に思っていたものだった。

ほかにはこんな窓枠の建物も。
窓枠もだけれど、ガラスも渋い。
ここは他の建物と違って建物として現役でした。
ひとつだけ探しきれなかった建物があるので、またの機会にでも行ってみようと思う。

近所の冷泉公園では、
オクトーバーフェスト福岡会場 開催前日

翌日の金曜日21日から始まるオクトーバーフェスト福岡の準備が着々と進んでいた。


冬はまだまだだけれども、昼間の日差しもだいぶん傾き、和らいできた。

もー、11月。気がつけばすぐに街にクリスマスソングが流れだすんだろうなぁ。

2011年10月14日金曜日

おポンプ様→「お」+外来語は本来間違いです!

ちょっと想像してみてください。
どうですか、こんな休日。

休みだからとダラーダラしているとあっという間に昼になり2時になり3時になり、部屋に西日が差してきて、あぁ、これじゃいかんと着替えて出かけるとしましょう。
でも、その時間から何をしようにも中途半端で、結局行きつけの飲み屋のクチアケをしちゃって、「あれ、今日お休みですか?」→「あ、わかっちゃいました?うひゃひゃひゃ」というワンパターンを繰り返すんです。

嫌いじゃない。だけれども、もったいない。

わかっちゃいるけど、やってしまうんですよね、休日前の夜更けの飲酒。
今回は、テレビ放映された分を録画しておいた「ゴールデンスランバー」をもう寝るよ、というタイミングで見はじめたのが良くありませんでした。
ウイスキーをソーダで割りながら飲んでいたのですが、ソーダが切れたのでロックで。
冷蔵庫にカツオの佃煮があったのでそれをもそもそ噛みながらだと、くいくい入ります。
ところどころでぐっと胸が熱くなって涙をにじませながら、わかるよ~わかるよ~、なぁ~って鼻をすすっていたら、カーテンがうっすらと青く、夜明けの前触れを知らせていました。
はー、そんな時間かーと思いつつ寝る支度をしてバタン。
起きて昼ちょっと前。
さて、天気もいいし遠出したかったけれど、ちょっと野暮用があったので今週はお預けです。

用事を済ませる前に博多でお昼を済ませました。
行った先は「かろのうろん」。
福岡でも1,2を争ううどんの有名店です。
福岡でうどんって……と思うかもしれないけれど、ローカルには豚骨ラーメンよりもよく食べられています。
店構えはこれ。120~30年くらいの老舗です。
かろのうろん→「角のうどん」が訛ったらしい。

ガイドマップにも載っている老舗の有名店ですが、まぁ、当たり前のうどん屋です。
でもここ10年くらいで400円ちょっとだったごぼ天うどんが500円にまで値上がりしたのは残念か。
うどんのゆで具合は博多らしいぶにゅぶにゅ。
あ、カシワおにぎりが切れた。

讃岐うどんブームでうどんに目覚めた人が食べたら怒りだすくらいの柔らかさ。
だし(このあたりの方言では「すめ」と言います)は普通にカツオとか昆布とか入ってそうな味に強めの塩味とうっすらしょうゆの香り。

うどんのお供と言ったらここらではお稲荷さんよりもカシワおにぎり。
鶏がすこーし入った炊き込みご飯で、博多らしく甘めの味付けです。
柔らかいうどんさえ許容できるのなら、お勧めの定番店です。

ごちそうさまです。
店の表には食品サンプルが。こうあるべき。
ここで、野暮用を済ませ、あとは博多のあたりをぶらぶら。

博多駅から海のほうに向かうと、寺密集エリアがあります。
その中でも国の史跡に指定されている聖福寺はしずかで日陰も多く、散歩中の一休みにはうってつけです。
日本初の禅寺で、中国から始めてお茶が持ち込まれたお寺でもあったようですよ。
檀家さんじゃないと入れないところも多いので気をつけて。
ちなみにこのお寺、あの玄洋社の初代社長 平岡浩太郎の菩提寺です。

さて、このお寺からちょっと南に下ると、変わった石碑のあるお寺があります。
承天寺です。
この門の左にあるのが山笠発祥の地の石碑
見たままです。

博多の人の間では山笠発祥のお寺として認識されていますが、ほかにも発祥のものがあります。
うどん、そば、まんじゅうです。
左が饂飩蕎麦、真中が饅頭、右が博多織の石碑
アップで。「饂飩蕎麦発祥之地」

中国から粉物文化を持って帰ってきて、日本で作り始めたのがここだそうです。
高野山だとか、蕎麦は中部日本だとか諸説ありますが、一応、ここもそのうちのひとつなので、話のタネにでも。

日本初博多発ネタはこれくらいにして、今日のタイトルのおポンプ様を紹介します。
博多駅から海のほうにまっすぐ伸びる大博通りの広い歩道にポツンとあります。

あら? なんだこれ?
ポンプです。

「おポンプ様」だ!
そう、おポンプ様です。

福岡の人でもめったにこの存在を知っている人はいません。
以前おポンプ様の前を通ったとき、調子に乗ってそうな学生たちが暑さが脳に回ったかのように騒ぎながらガッシュガッシュとポンプを漕いで水を出しているのを見て気がついた次第です。
なんでも昔はよそにあったのを持ってきて移設したそうで、日照りになって何があっても水を枯らすことなく市民を潤したことで「おポンプ様」と敬意を込めて呼んでいるようです。

まぁ、そんないきさつがあろうが無かろうが、語感のなんとも言えない間抜けさには関係ありません。
おポンプ様。
「お」から「ポ」への流れが笑いを誘っているのではないかと思います。

大博通りのおポンプ様をネットで調べると、播磨屋のホームページが出ると思いますが、いい感じにアレなので良かったら、どうぞ。

さて、博多部は掘れば面白いのでまたの機会をお楽しみに。

2011年10月10日月曜日

極東の島国でもオクトーバーフェスト

10月になりました。

残すところ3か月です。
こういうときに12からただ引き算をしちゃって、あと2カ月って間違っちゃう人がいますが、わからんでもないですね。
でも、3か月です。

そんな10月です。
10月はオクトーバーですね。
オクトーバーといえばフェストですね。
ドイツはバイエルン州の都市、ミュンヘンで毎年9月から10月にかけて開催される、ビール祭り、オクトーバーフェスト、です。
もともとは、日本酒でいうところの酒蔵開きのようなもので、ビール醸造の新シーズンがやってきたぞー!というお祭りです。
200年前に始まったお祭りだそうですよ。

このミュンヘン、いや、ミュンヘンに限らずヨーロッパの都市って、日本のその辺にある都市と同じような感覚で想像していませんか?
もちろん遠い異国の地であることは分かっているけれど、です。
というのもこのミュンヘン、緯度で言うと樺太です。網走や知床、旭川よりも北にあります。
ちょっと意外じゃありませんか? え! そんな北にあるの!?みたいな。
もちろん、、気候なんてものは海流から季節風、高度や内陸度などなど数多くの要素要因があって決まるものなので、北のほうにあるから無条件に寒いというわけではないんですが、さすがに樺太並みの緯度にあると寒いものはそれなりに寒いようです。

というわけで本場ミュンヘンのオクトーバーフェストは調子に乗って飲みすぎて寝こけてしまうと、運が悪かったら凍死ししてしまうそうです。

殺してみろーっ!ということで10月7日に乗り込んだのは福岡で最もドイツな場所、バイエルン福岡。
あのドイツの強豪バイエルンミュンヘンのオフィシャルライセンスを日本で初めて取得したスポーツバーレストランです。パン屋もやってます。
ブンデスリーガやバイエルンミュンヘンのファンはぜひ行ってみてはどうでしょう、。

10月7日はバイエルン福岡のオクトーバーフェスト初日ということもあり、友人何人かとビールに殺されに行ってきました。

まずはクローンバッハというピルスタイプの飲みやすいビール
ハムとソーセージの盛り合わせ+カレー粉がかかった甘たれソーセージ

ケストリッツアーという黒ビール
旨味というか味が濃い

オクトーバーフェスト用のアルコール度数高めのスペシャルビール

こいつはうまかった! 樽生!

という流れですが、合計10杯ほど行ってしまいました。
水だとそんなに入らないのにビールだと入ってしまう不思議。
そりゃ、目の前でこうして樽を開けてくれて
白いキャップの兄さんに隠れているけど、樽から注いでます!
生演奏で歌ってくれて
オクトーバーフェストの期間中だけのスペシャル
こんな腹が鳴りそうなごちそうがドンとでてきたら
カレーコロッケ、フレンチフライ、キッシュ、スペアリブ
ビーフシチュー、ソーセージ、ザワークラウト、ピクルス!!
そして、福岡でも人気のパン屋、サイラー特製のプレッツェルまでそろっているともなれば
表面の大きな塩の結晶がうんまい!


杯をなかなか置けません。

いやー、ビールは夏だけじゃないねー。
来週には博多山笠で有名な櫛田神社の隣の冷泉公園でもオクトーバーフェストが開かれるそうなので、そっちもやっつけに行ってきます。

やれるもんならやってみろ!

2011年9月26日月曜日

遠くの台風と止まない雨。

ようやく湿気も下がり、しのぎやすくなってきました。
今度の休みはちょっと離れたところにでも行って、温かいうどんやラーメンをすすりたいなぁ、なんて思っていた矢先の火曜日、予定が早まり急な休みになってしまいました。。
時はまさに台風真っ盛り。いやだなぁと思いつつ寝て起きた翌朝、外を見ると朝なのに真っ暗。

はー、まーしかたないか。
ということで、起きるなりまたごろごろしてテレビやDVDを見て過ごすも、ピリッとしません。
昼は野暮用で店に少し顔を出したりと、ちょっとお出かけしたけれど、特に何もなし。

結局一日雨が降り続いた、いまいちなおやすみだったけれども、夜は飲みに出ます。
雨にぬれる大濠公園

街灯の下、最後のヒマワリが咲いていました。肌寒いと急にヒマワリが物悲しい花に見えてくる。


大濠公園を雨の中歩いていきます。
この時間はいつもジョガーにウォーキングの人に犬の散歩に飲んだ帰りの人に、といろいろな速さで動く人が入り混じって混雑しているのだけれど、雨だとそういう人たちも出てこないのか、視界はすっきりとしていました。
ひんやりした空気と相まってさわやかさすら感じるほどに。

その日伺ったのは「木曽路」という蕎麦屋さん。

およそうまい店があるとは思えなさそうな立地です。

天神から北西に行った港のあたり。24時間スーパーの裏の住宅街の路地、ワンルームマンションの1階にあります。
中央区最強の中華定食屋として名高い珍満21がすぐ近所にあります。

ここのお勧めはもちろん蕎麦屋なので蕎麦は当然として、酒肴メニューが素晴らしい。
そばがきや蕎麦味噌はもちろん、軍鶏や鴨などなど、メニュー見ながら一杯行けそうなくらいの充実っぷりがうれしい。
王禄はうまい。器は大将の親戚がやいているとか。

その中でもお勧めは地元の食材、ピーナッツもやしのてんぷらが珍味。
実は博多湾に浮かぶ能古島は、かいわれ大根発祥の地で、暗所で種子から発芽させる系の野菜のパイオニアがいて、その人がカイワレに続いて世に送り出したのがピーナッツもやしということです。
そんな能書きはさておき、ピーナッツもやしのてんぷらには塩が降ってありそのままざくざくと食べるとそれがうーまい。
実にうまい。
もやしのしゃきっと感と甘み、ちょっぴりのえぐみが酒の勢いを加 速  さ   せ    る!
卵焼きに焼き印が入っていると妙にうれしい。

出し巻き卵と蕎麦味噌とざる蕎麦→蕎麦湯で〆。
他にも色々とつまんだけれど写真を撮ることも忘れて、酒と肴にうっとりしてしまったひと時でした。
日本酒は度数の割にめちゃくちゃ酔ってしまうので、好きだけど常に気をつけて飲むのだけれど、思わず4号飲んでしまいました。
それとここのそばつゆ、福岡では珍しく甘さを抑えてあって、とても美味しいんです。好みにどストライク。
福岡のめんつゆとすし飯の甘さが個人的にあまり好きではないのだけれど、ここのそばつゆの具合は辛口で◎。
夜は確か10時くらいで終わっちゃうのでお早めにどうぞ。

と、まぁ、閉店時間も早いので、明らかに飲み足りない。
さて、どうしますか。
そういえばミュンヘンはドイツ、ビールの本場ではオクトーバーフェストが始まるころだなぁ、ということで、ぴゅっと今川のドイツビールが飲めるスポーツバー、バイエルンへ移動。
このタイプがやっぱり日本人にはなじむ。

ピルスナータイプを生で。
なんとなくたまにはこういうビールも悪くないと思う。ただちょっと高いかな。
なんとなく懐具合が気になり、カパカパ飲むこともできなかったものの、先に日本酒を入れていたので適度にいい気分。

すこし雨が残る中、そんなに遠くもないし、と濡れて帰りました。

どうせだったらからだ動かして飲んだらもっと旨かっただろうな、酒も蕎麦もビールも。

次は晴れていますように。

2011年9月19日月曜日

博多三大祭りのひとつ 放生会

筥崎宮 放生会
9月12日より18日。
最終日以外は夜終電くらいまで。
場所は筥崎宮と参道。


行ってきましたよ、予告通り。
放生会。
博多三大祭りのひとつで、もっとも地元では楽しみにしている人が多いお祭りです。
断言します。

どんたくは、
仮装して大通りを踊る人たちを見るだけ。
正直、なんであんなに全国から人が集まるのかわからない。
実は行ったことがない。
と、地元の人たちからも好きかって言われています。
あれは商売している人たちが人を集めるために大掛かりな祭りにしているだけのような気がしますよ。

んで、山笠。
個人的には、とても好きなお祭りなんですが、とくに出店があったりとか、気軽に参加できたりとかそういうわけでもないので、あんまり身近ではないようです。
っていうか博多のほうのローカルの人たちが大盛り上がりな分、よその地域の人たちにはちょっと温度差があるかもしれないですね。

そして今回の放生会。ほうじょうや、と読みます。
まー、祭りというだけあって何かと神事のようなものがあったりするらしいのですが、集まってきている人たちのお目当ては、出店が立ち並ぶお祭りらしいあの雰囲気でしょう。
福岡でも屈指の大きさの神社の参道を目いっぱい使っての出店街ですから、それは当然でしょうね。

行ってきたのはちょうどお休み木曜日。
今日あたりから福岡は日中の気温が30度を切って明日以降も涼しくなるという話ですが、この木曜日はまだまだ暑く、日が落ちたというのに、人いきれもあってとろんとした空気がたまっていました。

若い女の子たちはほとんどお祭りの駅で降りました

筥崎宮へは地下鉄で行きます。
自転車を置くところもないし、お酒も飲むし、たまには電車です。
帰りの切符は先に買っておきます。

東区の駅夜9時前にしてはとんでもない混雑です。

階段を上ると、参道。

大賑わい 週末はこの比じゃない


賑わっています!

まずは神社での催しなのでお参りをしなくはいけませんね。

お清めです。

手を洗い口を濯ぎ、なんだか良さそうな石を触ったら



「敵国降伏」と勇ましい文字が掲げられた門をくぐります。

お月さんがきれいです。

そのままずずいと進み、お参りです。

お参りを済ませたら、参道からわきにそれたところにあるコンビニでビールを買います。

良心価格 自販機ですら値上げする祭りなのに。

これが肝心です。

ここで買っておかないと、出店で買うと、倍以上の値段です。
ぬるくなってもいいので500mlを2本購入。

放生会の名物、「新しょうが」の屋台がいくつか目につきます。
なんでも、むかしは筥崎宮のまわりで新ショウガが栽培されていて、お祭りともなれば出店をだして近所の人たちが新ショウガを売っていたそうで、それがいつの間にか転じて放生会の縁起物になったそうです。

芽が出てます。
まるで葉っぱを干しているかのようなぶら下がりっぷり


買いません。

ビールのつまみはちょっと日本語が片言っぽい本場の香りがする台湾屋台でエビニラまんじゅう。
ちまきもビーフンも歩きながら食べづらい。

そしてでかいタコが入ったタコ焼き。
ねぎ多めで。

他にも定番のじゃがバターとかき氷をやっつけたのですが、ごめん、写真忘れとりました。
たこやきもひとつ食べてから気がついたしね。

そして、腹が膨れてビールも1リットル収めてちょいと機嫌が良くなったところで名物、ヘビ女。

とはいっても首が伸びたりとかした先が割れていたりとか、うろこみたいな皮膚のフリークスというわけではなく、ヘビ(を食べる)女です。
中途半端なお色気。わかってない。でもそれがわかっているのか!?

ヘビ女の前座で、金を取るレベルの芸磨いて出直せ、とやじりたくなるような、汚れ芸を見せられましたが、まあ祭りってこんなもん、ちょっと下品でね。
長いおかっぱ。オンザです。

そして、出てきました、ヘビ女。
真っ白に塗りたくっているので素顔が想像もつきませんが、きっとヘビの呪いで顔の皮膚はうろこのようになっているに違いないですぜ!
猫の次に恨み深いと言いますからね!
もりもり。

とかなんとか変なことを考えていたらあっという間に食った。

一日30舞台ぐらいするから毎回一本食べると腹が膨れてしまうということで、丸の一本は行ってくれませんでしたが、ぶぢぃっと噛み千切る音がなかなかリアルでしたよ。

あれ、気持ちが悪いものを食べるってのがそもそもヘビ女のすごいところだけれど、ヘビで悪さをしたことがある腕白な紳士淑女諸君ならわかる、あのヘビの固さ。
スコップで突いたくらいじゃ両断できないくらいの皮の堅さとゴリゴリした肉を噛み千切るヘビ女の顎がすごい。
ヘビ女の顎に注目するのが通の楽しみ方です。
近くに陣取って、咀嚼する音に耳を傾けてみてくださいね。
ほんとにゴーリゴリ食べてます。

そんなこんなで毎年例年変わり映えのない放生会は、今年も通常運転でした。

でも、この祭り、老若男女の祭りというよりも、若い男女向けですね。
もう、ナンパしに来た男の集団と、声掛けられ待ちの女の子たちがあからさまで。

じっとりと皮膚に重たい湿気を含んだ空気と、ぬめっとした視線がまじわったりほどけたりする男女。きわどい格好の女の子を連れたちょっと粋がった後ろ髪の長いお兄ちゃん、そして祭り独特の非日常的な空間。
ハレとかケとかいう様な風習が残っていたくらいのむかしは、祭りの夜にえっちらおっちら皆さんお盛んだったというのもなんとなくわかる、うっすらと少~し狂気をはらんだ空気って、ありますよね。
お祭りには。淫靡さというか。



ちょっと飲み足りないかな、というくらいが歩いて帰る時はちょうどいい。
終電間際の地下鉄に乗って、天神で降りたい誘惑に駆られながらも我慢して、まっすぐ帰宅。
また来年。

じゃあちょっと出店の雰囲気だけでも見て言ってみてください。

焼型にとぐろを巻いたゆで麺が!
かたぬき。地味な空間。

やっぱり定番 射的。

お父さんがすくうのをじっと見る子供。親父への重圧。