こう秋めいてくると、ほっとする反面、夏のあのひりつく様な暑さが少し恋しくなる瞬間があります。
思い返してみると、夏のいちばん暑い盛りに、
「あぁ、暑い、死ぬ、夏終われ、もう無理」
なんて言いつつも、どこかそのめちゃくちゃな暑さを楽しんでいたように感じます。
気がつけば、夏も終わりです。
この休みは久しぶりに志賀島をぐるりと廻ってきたのですが、島にある海の家はもう全部、閉じていました。
海の中道海浜公園のサンシャインプールも、週末だけの営業で、それももう来週の連休までだそうです。
長かった夏ももう終わりが近づいてきました。
でも、自転車でフラフラと遊びに行くには、もう少し涼しいほうがいいですね。
まだまだ暑いので、あまり遠くを目指すということも無く、今回はゆっくりと、お散歩メインでふらついてきました。
今回のぶらぶらのエリアは、箱崎の辺りです。
馬出とか貝塚とかあのあたりです。
そのあとの志賀島はおまけみたいなものです。
ひとまず、時系列に書いていきましょう。いつも通り。
今回、木曜日が休みでした。
だいたい休みの前日はお酒を飲みながら遅くまで起きてDVDを見たり、本や漫画を読んだりしてすごします。
そういうながら飲みは案外と量が行ってしまうもので、この日もぼんやりと映画「フィラデルフィア」を見ながらブラックニッカ8年がまだ半分以上残っていたボトルを空けてしまいました。
この映画、中学か高校生のころ見に行った覚えがありますが、正直、エンディングのブルース・スプリングスティーンのボーニザユーエセーェー♪しか印象に残っていませんでした。
いまみると、割とちゃんとした映画だったんだな、とは思いますが、AIDSが猛威をふるった恐怖の80年代を経て、社会的にそれなりに認識され始めた90年代の大手法律事務所で起こった話という設定が厳しいなぁと思いつつ、法廷ショー*人間ドラマという作戦にまんまと泣かされました。
そんなわけで朝起きたらだいぶんお酒が残っていたのですが、たまにあることなので慣れっこです。
酒を追い出す最良の方法は、当たり前の朝の手順を踏む、これにつきます。
きついなーとだらだらごろごろしていると、キツイまんま時間だけが経ってしまっているもんです。
そんなわけで、昼前11時半ごろ、すこしゆっくりめで家を出発です。
いつものように千鳥橋を渡って、東に向かいます。
 |
古い道だからか結構でこぼこ。 |
渡って左折、国道3号線です。とたんに看板だらけで、視覚的にうるさい。
目指すは貝塚公園!
のつもりだったけれど、ちょっと寄り道。
久しぶりに箱崎の「パットウヤオ」で水煎包を買って、貝塚公園で食べよう!と閃いてしまいました。
箱崎宮のすぐ近くに、持ち帰り専門の台湾料理屋があり、そこの蒸し焼きの野菜饅がうまいんです。
3号線から箱崎宮の参道に入ります。
 |
この奥に箱崎宮があります |
そうすると参道の両側に、出店がいくつか並んでいました。
ちょうど組み立てつつある屋台もありました。
 |
お、出店の準備が……? |
放生会(ほうじょうや)です。
9月12日から18日まで、開かれるようです。
 |
お潮井取りは、私のお気に入りスポットの小さな浜で行われます |
博多三大祭りのひとつで、生きるものすべてに感謝をするお祭り、ですね。
業だとか原罪だとか、そういうことの罪滅ぼしのお祭りなんでしょうね。
名物は「ちゃんぽん」他の地方ではビイドロだとかポコペンと呼ばれるガラスのおもちゃ、そして新ショウガ。近頃では博多人形と同じ作り方をしているおはじきも名物の仲間入りをしているようです。
でも、ほとんどん人はそんなことよりも何よりも、出店というか露店が立ち並ぶいかにもお祭り然とした雰囲気を楽しみに来ています。
もうすぐ始まりますね。
参道を上り、地下鉄の駅のところで左に折れてしばらく行くと目指す店「パットウヤオ」があります。
 |
今はこんな外観です。びっくりした。妙齢の女性が立っているところです。 |
でも人気が高くだいたいいつ行っても売り切れで、この日も同じく売り切れていました。
なので、いつものように、角煮饅をひとつ買いました。
これを貝塚公園で食べよう、と移動する前に、少し折り返して、あるところの写真をとってきました。
過去に一度だけ、訪れたことがあります。
30年ほど前まで、福岡の街には路面電車が走っていました。
城南線という道の呼び名や、博多の旧町名が彫られた石が軌道の敷石だったりとか、そういう形でしかいまの福岡の街には名残がないけれど、一か所だけ、まだ、電停の跡が残っている場所があるんです。
春吉の、餃子の旭軒のおかみさんが、馬出の支店の場所の説明をしてくれたとき、その場所が話にのぼり、それ以来、もう一度行きたいと思っていた場所でした。
 |
左のほうのバス停が立っているところです。 |
この道は、バスと歩行者以外は進入禁止になっています。
この石が盛ってあるところが昔の電停跡です。
私が生まれて1年もしないうちに、福岡の街から路面電車が姿を消したそうです。
 |
この道をまっすぐ渡ってもまだバス専用道路。 |
この辺りを歩いてみると判るのですが、細い路地が入り組み、その中に唐突に大きな団地があり、さらには寺社仏閣もあるという古い時代で開発が止まっているかのような場所です。
そのおかげで、こういう使われなくなった交通遺物が今も残っているんだと思います。
さて、では饅頭をゆっくり座って食べたいので、貝塚公園に向かいます。
 |
公園内です。細い道。やたらと標識があります。 |
この貝塚公園は交通公園とかなんとかそういう感じの施設があり、交通ルールが学べる子供用ゴーカートコースがあります。
ちゃんと横断歩道や信号も設けてあります。
 |
近づいて見ると老朽化の色が隠せません |
 |
その昔行われたアジア博から引き取り展示 放置 天井破れて雨ざらし |
ほかには乗り物繋がりなのか、飛行機やアジアの乗り物が展示されています。
展示されているというよりも、うち捨てられています、というほうがしっくりくる風情ではあります。
そんな錆の浮いたジープを見ながら饅頭タイム。
 |
食べ物って、ちゃんと撮らないと、まったく旨そうにみえない。要脳内補正。 |
包子に豚の角煮と高菜がはさんであります。ふーわりとニンニクの風味とオリエンタルな香りもするので、そういうソースもかかっているんだと思います。
見ての通り、小さな饅頭ですので、ぺろり。
ものたりない。
まさに呼び水。
どうしよう、名島亭でらーめんか、泰洋軒で定食行くか?
 |
福岡の大衆天ぷらの雄、ひらお |
発見。
何度もここを通っていたのにまったく気がつかなかった。
よし、じゃあ天ぷら定食(白身、青魚、いか、きす、野菜3種 ごはん 味噌汁 漬物とイカの塩辛食べ放題)670円といきますか。
 |
満席 忙しそうに揚げるのを待ちながら↓ |
 |
名物いかの塩辛 柚子の香りがさわやか |
 |
来てすぐアジを一口かじりました。待ちきれなくて済みませんでした。 |
写真右上のバットに揚げたてがじゃんじゃん追加されてきます。
揚げたての熱々を下品にてんつゆにドボンと沈めて、サクサク感が残っているくらいで大根おろしをたっぷり絡めて引き上げる。
そしてご飯と一緒にかきこむ。
私もラーメンとカレーばかり食べてはいますが味にうるさい口なので、中には塩で味わったほうがよい天ぷらが存在することは理解できますし、そうすることもたまにあります。
がしかし! 天ぷらひらおに限っては、つゆで食え。
あっつあつをざぶッとつけてご飯に乗せてすためて、むさぼり食うべし!
自分ちで飯食ってる気分で。
と、スターター付きの昼食も終えて、おまけの志賀島。
まぁ、陽ざしも少し弱くなって、いつもの志賀島でした。
ちょっと面白い地図が自販機に貼ってあったくらいですかね、収穫は。
 |
お役立ち情報満載。SHOPヒロ製。 |
しかのしマップ。
しまうマップ、みたいな。
海の家は軒並み閉じていたけれど、国民休暇村の勝馬の浜にはちらほらと若者やファミリーが見られました。
でも、真夏の賑わいに比べると、まさに祭りの後。
帰りは海の中道大橋でショートカット。
汗びっしょりになったので、「ゆの華」にピットイン。
 |
銭湯 |
筋肉をほぐそうと電気風呂に入ったら、さっきまで酷使した筋肉がパニクって、尻が攣るというかつて経験したことのないハプニングに襲われたものの、長湯を楽しみ、サウナでなでしこの後半45分を見るという荒行に挑戦し、風呂上がりの200円10分のマッサージチェアのふくらはぎ圧迫マッサージであんあん悶えて、コンビニでビールを買って、大濠公園のほとりのベンチで飲みました。
つまみにプリッツを食べていたら鳩が寄ってきた、そんな感じの休日でしたよ。
じゃあ次は放生会ですね。